更新日:2025.11.1
こんにちは!「Smart Housework Lab」の運営者、Eです。時短家事や効率的な暮らしについて、日々研究しています。
「共働きなのに、どうして私ばかり家事をやっているんだろう…」
「共働き 家事 分担」と検索しているあなたは、もしかしたらそんな風に感じているかもしれませんね。現実として、6歳未満の子どもを持つ家庭では、妻の家事関連時間は1日平均7時間半近いのに対し、夫は約1時間50分程度というデータもあります(出典:総務省統計局「我が国における家事関連時間の男女の差」)。
もちろん、これはあくまで平均ですが、多くの共働き家庭で妻の家事負担がかなり大きくなっている状況がうかがえます。家事分担がうまくいかない不満や、パートナーとの話し合いが思うように進まない悩み、ありますよね。
特に、「献立を考える」や「日用品の在庫を把握する」、「子どもの学校のプリントを管理する」といった、名前が付きにくい「見えない家事」がどちらかに偏ると、不公平感が生まれやすいものです。
この問題、実は「気合」や「思いやり」だけで解決するのは難しいかも、と私は思っています。
大切なのは、感情論ではなく、お互いの状況を「見える化」し、家庭というチームを運営するための「仕組み」を作ることです。
この記事では、家事分担の不満が生まれる根本的な理由から、今日から試せる具体的な分担のコツ、そして便利なサービスや家事のリスト化まで、我が家を最強のチームに変えるためのヒントをまとめてみました。
一緒に、ストレスのない家事シェアの方法を探っていきましょう。
☑ 記事のポイント
- 1なぜ家事分担で不満が生まれるのか、その根本原因
- 2家事の全体像を「見える化」する具体的な方法
- 3ストレスを減らすための話し合いの基本ルール
- 4家事負担を軽くする「仕組み化」のアイデア
共働き家事分担がうまくいかない理由

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「ウチも共働きなのに、なぜか負担が偏ってる…」と感じることはありませんか? お互いフルタイムで働いているはずなのに、気づけば自分ばかりがキッチンに立ち、洗濯物を回し、子どもの準備に追われている…。
まずは、その不満がどこから来るのか、その理由をしっかり探ってみましょう。原因がわかれば、対策も見えてくるはずです。
なぜ家事分担は不満が生まれやすいのか
家事分担で不満が生まれやすい最大の理由は、家事の「全体像」と「質」が夫婦間で見えていないことにあるかなと思います。
例えば、「料理」という一つのタスク。これを「食卓にご飯を並べる」だけだと思っていると、その前後に隠れている膨大なプロセスを見落としてしまいがちです。
「料理」タスクの裏に隠れたプロセス
- 計画:家族の健康や好み、予算を考えて1週間の献立を考える。
- 在庫管理:冷蔵庫や食品庫の中身を把握し、足りないものをリストアップする。
- 買い出し:スーパーに行き、リストアップした食材を購入し、持ち帰る。
- 下ごしらえ:野菜を切ったり、肉に下味をつけたりする。
- 調理:複数の品を同時に効率よく作る。
- 配膳:お皿に盛り付け、テーブルに運ぶ。
- 片付け:食器や調理器具を洗い、元の場所に戻す。シンクやコンロ周りを掃除する。
このように、「料理」一つとっても、これだけの「名もなき家事(見えない家事)」が連なっています。
片方がこの「見えない家事」のほとんどを無意識に引き受けていると、「自分は(目に見える)ゴミ出しをやった」という側と、「自分は(見えない)タスク管理と膨大なプロセスまでやっている」という側で、深刻な認識のズレが生まれます。
この「やっているつもり」と「やってもらっていない」という認識のギャップこそが、不満の正体なんですね。
家事分担の偏りが起こる3つの原因

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では、なぜその偏りが起きてしまうんでしょうか。お互い「平等にやろう」と思っていても、気づけば偏ってしまう…。私が考える主な原因は、次の3つかなと思います。
1. 「気づく能力」の差(=メンタルロードの偏り)
「トイレットペーパーがもうすぐ無くなりそう」「明日の朝のパンがない」「あ、子どもの予防接種の予約しなきゃ」。こうした「気づき」は、実は「メンタルロード(Mental Load)」と呼ばれる、高度な認知的な労働です。
家庭というプロジェクトを円滑に進めるための「管理・監督業務」とも言えます。日頃から家事を主導している側に、この「気づくアンテナ」が集中しがちで、結果的に気づいた人がタスクを把握し、指示を出し、処理することになります。
これが、「言われないとやらない」状態を生み出す根本原因です。
2. 家事のクオリティライン(合格点)の違い
「洗濯物はこう畳んでほしい」「掃除はこのレベルまでやってほしい」「食器は水滴が残らないように拭いてほしい」。こうした家事の「合格ライン」が夫婦で違うと、大きなストレスになります。
片方の基準が高すぎると、もう片方は「やってもどうせダメ出しされるし…」と感じて意欲を失いがち。逆に、基準が低い側の仕上がりに満足できず、「こんな雑にやられるくらいなら、自分でやった方が早い!」と、結局もう片方がやり直す…なんてことも不満の原因になります。
このすり合わせができていないと、お互いにとって不幸ですよね。
3. 伝統的な役割意識(アンコンシャス・バイアス)
「男は仕事、女は家庭」という考え方は古いものになりました。
ですが、私たち自身も気づかないうちに、「なんとなく妻が家事をメインでやるもの」「子どものことは母親が把握しているべき」という無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)が残っているケースも少なくありません。
この無意識の思い込みが、「家事は妻の仕事で、夫はそれを手伝う」という意識のズレにつながっていきます。お互いに悪気はなくても、この前提がズレていると、分担の話し合いは平行線をたどりがちです。
「手伝う」ではなく「シェアする」という発想
ここでとても大切なのが、「家事を手伝う」という言葉を使わない、意識しないことです。
「手伝う」という言葉には、「本来は相手(主に妻)の仕事だけど、自分(夫)が善意でサポートしてあげる」という、当事者意識の欠けたニュアンスが含まれてしまいがちです。
共働きの家庭運営は、二人共通の「仕事」であり、生活そのものです。どちらか一方がオーナーで、もう一方がアルバイトではありません。
だから、「手伝う」のではなく、お互いが当事者として責任を「シェアする(分担する)」という発想に切り替えることが、平等なパートナーシップの第一歩だと私は思います。
一方が家庭の「マネージャー」で、もう一方が「指示待ちの部下」になってしまうと、マネージャー側のメンタルロード(管理業務の負担)は永遠に減りません。どちらも「自分ごと」として捉える意識が、何より大切ですね。
家庭内トラブルを防ぐ“話し合い方”の基本

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家事分担を見直すには「話し合い」が不可欠ですが、これが一番難しいかもしれません。「どうせ言っても無駄」「またケンカになるだけ」と諦めてしまう前に、冷静に話し合うための基本的なルール(グラウンドルール)をいくつか提案します。
話し合いの基本ルール
- 「私」を主語にする(アイメッセージ):「あなた(You)はいつも〇〇してくれない」という非難(Youメッセージ)は、相手を防御的にさせます。
「私(I)は〇〇だと感じて負担に思う」「〇〇してくれると、私はとても助かる」と、自分の気持ちや状況を伝える形(Iメッセージ)にしてみましょう。相手は責められていると感じにくく、事実として受け止めやすくなります。 - 相手の貢献に感謝を伝え、認める:話し合いの最初に、「いつも仕事お疲れ様。〇〇をしてくれて助かってる、ありがとう」と、まずは相手がやってくれていることへの感謝や承認から入るのがおすすめです。
ポジティブな雰囲気で始めると、その後の会話が建設的になります。 - 過去ではなく未来に焦点を当てる:「あの時こうだった」「前も言ったのに」と過去の不満を蒸し返すのはやめましょう。目的は「犯人捜し」や「相手を論破すること」ではなく、「二人が快適に暮らすための未来の仕組み作り」です。
「これからはこうしていきたい」「どうしたらうまくいくと思う?」という未来志向で話すことが大切です。 - 時間と場所を戦略的に選ぶ:お互いに仕事で疲れ果てた平日の夜や、どちらかがイライラしている時、子どもが騒いでいる時などは絶対に避けましょう。
「今度の土曜の午前中に、30分だけ家のことについて話さない?」などと、事前にアポイントを取るのがベストです。カフェなど、日常とは少し違うリラックスできる環境で話すのも良い方法ですね。
内閣府男女共同参画局でも、夫婦で話し合うための「夫婦が本音で話せる魔法のシート「○○家作戦会議」」といったツールを提供しています。こうしたものをたたき台にしてみるのも、会話のきっかけとして有効かもしれません。
共働き家事分担を成功させる仕組み化

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意識を変えるだけでは、家事分担は残念ながら長続きしないかもしれません。日々の忙しさの中で、意識は薄れていってしまうものです。大切なのは、お互いが「頑張らなくても回る」ための「仕組み」を作ることです。
ここでは、具体的な仕組み化のアイデアを紹介しますね。
家事リスト化で「誰が何をやるか」を見える化
家事分担の仕組み化、その第一歩は、なんと言っても「家事の見える化」です。これは話し合いの準備段階でもありますが、仕組みの土台として非常に重要です。
まずは、家庭内に存在するすべての家事を、付箋やスマートフォンのメモアプリ、スプレッドシートなどに書き出してみましょう。
ここでのコツは、先ほども触れた「名もなき家事」を徹底的に洗い出すことです。
| カテゴリ | 具体的なタスク例 |
|---|---|
| キッチン | 献立を考える、冷蔵庫の中身を把握する、買い物リストを作る、麦茶を作って冷やす、排水口のゴミを取る、調味料を補充する |
| リビング | 郵便物を確認し不要なDMを捨てる、散らかった靴を揃える、宅配便の再配達手配をする、観葉植物に水をやる |
| 洗面所・浴室 | トイレットペーパーやティッシュを補充する、シャンプー類を詰め替える、濡れたバスマットを干す、洗濯槽を洗浄する |
| 子ども関連 | 保育園や学校からの手紙を確認・記入する、子どもの爪を切る、汚れた服を予洗いする、持ち物に名前を書く |
全部出し切ったら、次に「現在、主に誰が担当しているか」を色分けしてみます。おそらく、どちらかに色が偏るはずです。この客観的な「偏り」を二人で直視することが、感情的にならずに話し合うためのスタートラインになります。
補足:リストの活用法
リストができたら、「どちらが得意か(好きか)」「どちらの生活時間帯に合っているか」「どれくらいの頻度が必要か」を話し合いながら、新しい分担を決めていきます。
このリスト自体が、家庭の「業務マニュアル」になるんですね。冷蔵庫の扉など、目につく場所に貼っておくのも効果的です。
ルーティン家事は“固定化”して迷わない仕組みに

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毎日・毎週発生するルーティン家事は、「気づいた方がやる」という曖昧なルールにすると、結局「気づく」側に負担が集中します。そこで、担当を「固定化」してしまうのが一番楽かなと思います。
「ゴミ出しは夫」「朝の食器洗いは妻」「週末のお風呂掃除は夫」といったように、担当領域(ドメイン)を明確に決めてしまうんです。
ここでの最大のポイントは、単なる作業(タスク)ではなく、関連するメンタルロードごと任せることです。
例えば「ゴミ出し」を担当するなら、「各部屋のゴミを集める」「分別ルールを確認する」「指定日に出す」「ゴミ袋をセットする」「ゴミ袋の在庫を管理・発注する」までを一つのパッケージとして担当します。
こうすることで、もう片方はその領域について一切考える必要がなくなります。「あれやった?」「ゴミ袋もうないよ」といった確認や指示出しがなくなり、お互いが自分の領域に集中できるため、精神的な負担が劇的に減りますよ。
週単位での「家事スケジュール共有」がカギ
固定化しにくいタスクや、子どもの予定などで変動するもの(例:予防接種、習い事の送迎、保護者会など)は、スケジュール共有アプリ(GoogleカレンダーやTimeTreeなど)を活用するのがおすすめです。
我が家もそうですが、「今週の買い出しは水曜の夜」「週末の作り置きは土曜の午前中」「〇〇ちゃんの耳鼻科は火曜17時」といったように、家事や育児を「予定」としてカレンダーに登録してしまうんです。
こうすることで、「言った・言わない」のすれ違いを防げますし、通知機能でリマインドもできます。
「あ、今日はこのタスクがあるな」と、お互いが主体的に動くきっかけになりますし、家族全員の予定が見えることで、仕事との調整もしやすくなり、チームとして動きやすくなりますよ。
時短家電と便利サービスを組み合わせて負担を削減
夫婦二人で頑張って家事のすべてをこなそうとすると、特に忙しい時期は、いつか限界が来てしまいます。
そこで、便利なテクノロジーや外部サービスを積極的に活用して、家事そのものの「総量」を減らすことを考えましょう。これは「投資」だと私は考えています。
「新・三種の神器」の導入
現代の時短家事に欠かせないのが、「食洗機」「ロボット掃除機」「乾燥機付き洗濯機」です。
これらは初期費用がかかりますが、日々の「食器を洗う時間」「掃除機をかける時間」「洗濯物を干す・取り込む・天気を気にする時間」という最も大きな家事の塊を自動化してくれます。
その時間を家族団らんや休息、自己投資に充てられるメリットは、計り知れないですね。特に「乾燥機付き洗濯機」は、洗濯の概念が変わるほどのインパクトがあると私は思っています。
外部サービス(アウトソーシング)の活用
家事代行サービス、ネットスーパー、ミールキット(食材宅配)なども強力な味方です。
特に負担の大きい「料理(献立・買い出し)」や「水回りの掃除」をアウトソースするのは、「手抜き」ではなく「賢い戦略」です。時間と心の平穏を買う、という発想ですね。
利用時の注意点
これらのサービスや家電には、もちろん費用がかかります。まずは「どの家事が一番負担か」「どの時間を生み出したいか」を夫婦で話し合い、優先順位をつけましょう。
家計全体を見て、「どの部分の負担を減らすために、いくらまでなら投資できるか」を合意しておくことが大切です。利用するサービスの内容や契約条件も、事前にしっかり確認してくださいね。
「完璧を目指さない」が最強の時短マインド
家事分担でぶつかる最大の原因の一つが、先ほども触れた「クオリティラインの違い」です。
せっかく相手が家事をやってくれても、自分の基準と違うと、つい口出ししたくなったり、やり直したくなったり…。
でも、それを続けていると、相手は「どうせやっても文句を言われる」「自分には才能がない」と家事から手を引いてしまいます。
大切なのは、「完璧を目指さない」こと。そして、家庭内の家事の合格ラインを「100点(完璧)」ではなく、「80点(生活に支障がないレベル)」に設定し直す勇気が必要です。
タオルが少し曲がっていても、食器の並びが昨日と違っても、生活は問題なく回ります。相手のやり方を尊重し、任せると決めたら(命に関わること以外は)口出ししない。
この「ある程度の“あきらめ”」や「良い意味での“手抜き”」こそが、お互いの精神的な負担を減らす最強のマインドかもしれません。
自分のやり方が「唯一の正解」ではないと認めることで、家庭の雰囲気はずっと良くなるはずです。
子どもを巻き込む“家事教育”で家全体が楽になる

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もしお子さんがいるご家庭なら、ぜひ子どもも「チームの一員」として巻き込んでみてください。「パパとママの仕事」ではなく、「家族みんなの仕事」という意識を持つことが大切です。
「自分のおもちゃを片付ける」「食べた食器をシンクまで運ぶ」「洗濯物を畳む(ぐちゃぐちゃでもOK!)」など、年齢に応じてできることはたくさんあります。
| 年齢(目安) | できることの例 |
|---|---|
| 2〜3歳 | おもちゃのお片付け、脱いだ服を洗濯カゴに入れる、こぼしたものを(一緒に)拭く |
| 4〜5歳 | 食卓を拭く、お箸やスプーンを並べる、簡単な洗濯物たたみ、ペットの餌やり |
| 小学生〜 | 自分のお皿を洗う、お風呂掃除、ゴミ出し、お米を研ぐ、簡単な朝食の準備 |
これは単に親の負担を減らすだけでなく、子どもにとっては「自分も家族の役に立っている」という自己肯定感や自立心を育む、素晴らしい「家事教育」になります。
もちろん、最初は時間がかかりますし、やり直しも必要かもしれません。でも、長い目で見れば、子どもが戦力になることで家全体の家事負担が分散されていきますし、将来子どもが家庭を持ったときにも役立つスキルになるはずです。
円満な共働き家事分担は納得感が鍵
ここまで、共働き家事分担の様々なコツや仕組み化についてお話ししてきました。
家事リストを作ったり、家電を導入したり、カレンダーで共有したり、いろいろなテクニックはありますが、私が最終的に一番大事だと思うのは、夫婦間での「納得感」です。
ストップウォッチで計測して、家事の実行時間を完璧に「50:50」にすること(公平性)を目指す必要は、必ずしもないと思っています。なぜなら、お互いの仕事の忙しさ、得意・不得意、体力、その日の体調は、日々違うからです。
大切なのは、機械的な平等さよりも、「この分担なら、お互い納得できるね」「今は私が大変だから助けてほしい」「今は余裕があるから私が多めにやるよ」と柔軟に話し合える関係性、その着地点(納得感)を見つけることです。
家庭の状況は、子どもの成長、仕事の異動や繁忙期、親の介護などによって、これから先もどんどん変わっていきます。だからこそ、一度決めたルールに固執せず、定期的に「作戦会議」を開いて、その時々のベストな形に分担を見直していく柔軟さも大切にしたいですね。
この記事が、あなたの家庭が「お互いを責め合う関係」から、「お互いを支え合う最強のチーム」になるための、何か一つでもヒントになれば嬉しいです。